発行元 株式会社ダイナミックオーディオ 〒101-0021 東京都千代田区外神田3-1-18 ダイナ5555 TEL 03-3253-5555 FAX 03-3253-5556 H.A.L.担当 川又利明 |
No.1008 2013年2月19日 【新発見⇒H.A.L.'s impression!!-Acoustic Grove Systemの素晴らしさ!!】 「Acoustic Grove System (AGS) が聴かせてくれた驚愕の真実!!」 ■H.A.L.の試聴空間におけるルームチューニングの現状 私のこだわりによる当フロアーの試聴室は下記のようにチューニングしています。 「音も風景も変わって生まれ変わったH.A.L.の近況報告!!」 http://www.dynamicaudio.jp/audio/5555/7f/brn/414.html 「拙い説明ですが“DIGI-WAVE”の威力を簡単に述べました!!」 http://www.dynamicaudio.jp/audio/5555/7f/brn/415.html 「音響的改装を行ったH.A.L.は音も景観もリニューアル!!」 http://www.dynamicaudio.jp/audio/5555/7f/brn/890.html http://www.dynamicaudio.jp/file/111122/11.22.06.jpg ↓こんな風に変わりました!! http://www.dynamicaudio.jp/file/120114/2012.1.14.04.jpg http://www.dynamicaudio.jp/file/060318/room-rear.jpg ↓こんな風に変わりました!! http://www.dynamicaudio.jp/file/120114/2012.1.14.03.jpg ここの試聴室に採用しているQRDの製品を下記にリストアップしてみると… Diffractal (600 x 1200 x 230)税別\179,000.×7=税別定価合計 \1,253,000. Digi-wave (875 x 600 x 100)税別\144,000.×34=税別定価合計 \4,896,000. BAD(600 x 600 x 36)税別\69,000.×8=税別定価合計 \552,000. Skyline(600 x 600 x 110)税別\34,500.×65=税別定価合計 \2,242,500. http://www.taiyo-international.com/products/qrd/ ★現状の価格で計算すると何と税別定価総合計 \8,943,500.となります!! 2009年2月23日 「NHK HD520スタジオ・リニューアルプロジェクト」 http://www.dynamicaudio.jp/audio/5555/7f/brn/640.html 上記の一節に次のように初めてAcoustic Grove Systemが登場してきます。 「このAcoustic Grove Systemは一般家庭でも使用できるような商品化を目前 にしているということで、日東紡音響エンジニアリング株式会社のご担当者 から一度同社の試聴室に来て頂きたいという要請も頂き、近い将来に実現し たいと思っています。」 実は日東紡音響エンジニアリング株式会社の開発担当者はハルズサークル会員 でもあり、同時に当社とも取り引き関係にあるものでした。 ■柱状拡散体Acoustic Grove Systemとは!? http://www.noe.co.jp/product/pdt1/pd1_12.html 商品化を目前にして同社のハルズサークル会員であるお得意様と営業担当者が 出来たてほやほやの(AGS)Sylvanを上記のようなルームチューニングを施した H.A.L.の試聴室に持ち込んで来られたのが四年前のことでした。 その環境の中で私は数通りのセッティングでSylvanを試聴してみたのですが、 どうも印象は良くありませんでした。既に試聴室の環境を前記のようにQRDで 徹底して追い込んである中では、先ず壁面に置くとしてもサンプルの個数も 足りず、仕方なく音源であるスピーカーの周辺に置いたのですが、不必要な 残響が付加されるという程度で真価を発揮しなかったのです。 それ以来、各方面でAGSが評価され各地で採用されていくのを静観していたのが これまでの四年間でした。私自身が納得していないのですから仕方ありません。 そんなAcoustic Grove Systemを横目で見ている日々が続く中でも、私の お得意様で相当耳の良いVIPからも(AGS)ANKHの注文が入るようになってきました。 四年前から面識はあれど当時の思い出から私は中々AGSの再評価をしてみよう という気持ちにならなかったのですが、日東紡音響エンジニアリング株式会社 営業推進部の山下晃一氏は大変誠実で律儀な方で、毎年のように新年の挨拶に 来て下さり、今年も正月早々に来店された折に私から提案してみたのです。 四年前はあれだけ大量のQRDを設置している試聴室では真価を発揮しなかった のですが、こちらの部屋だったらどうだろうか!?という提案でした。 http://www.dynamicaudio.jp/file/20130215/ankh01.jpg このスペースは見てわかるように全面反射面であるステンドグラスがあり、 当店がオープンして以来12年間というもの何例かの吸音拡散材をセットしたり したのですが、この場は試聴できるレベルではないと諦めていたものでした。 天井高2.7m、この場の横幅は約3m、左右の平行する壁面の奥行きは1.6mという スペースで一切の音響的処置をしておらず、肉声の響きが盛んに跳ね返って 来るような音響的には決して宜しくない環境にAGSをセットしての実験をして みようかと山下氏に提案したものでした。それが一月の事。 2月になったらということで山下氏からアポイントがあり、四年前と比べて コーナー型のANKHやユニークな卓上型ANKH-IIIなどの新アイテムも揃ってきた ことから、この際にまとめて使用前・使用後の実験試聴が実現する事になったのです。 http://www.noe.co.jp/download/pdf/ANKH_III.pdf ←新製品ANKH-III ■柱状拡散体Acoustic Grove Systemとは!? http://www.noe.co.jp/product/pdt1/pd1_12.html さて、今回の実験試聴に先だって↑この日東紡音響エンジニアリング株式会社の webサイトに掲載されていない製品群があるので、先ずそれをご紹介しましょう。 ■Acoustic Grove System Price List http://www.dynamicaudio.jp/file/20130216/SYLVAN_ANKH.pdf これから試聴する製品は下記を用意しました。仕上げは標準色です。 □ANKH-I:ST-15フラットタイプ(W600×D230×H1500) (税別 \280,000.)4台 □ANKH-II:CO-15コーナータイプ(W400×D400×H1500) (税別 \330,000.)2台 □ANKH-III:DT 卓上・床置きタイプ(W660×D110×H300) (税別 \100,000.)1台 AGSがスタートした時には高さ120cmのものを標準としていたのですが、受注 する製品のほとんどが高さ150cmになってきたという実情から現在ではANKH シリーズの標準品は150cmとしています。 上記の写真を見てお分かりのように、ここの試聴システムとはシンプルなものです。 ■Speaker System:AVALON INDRA (税別 \2,990,000.) http://www.taiyo-international.com/products/avalon/indra/ ■Integreted Music System:ESOTERIC RZ-1 (税別 \350,000.) http://www.esoteric.jp/products/esoteric/rz1/index.html というよりも、この環境でどれほどのシステムを鳴らしてみようかという意欲が なかなか湧いてこなかったというのが本音のところでしょう。しかし…!! -*-*-*-*-*-*-*-*-*- 1台約30Kgもある各種ANKHを一曲ごとにセットしたり外したりは中々困難であり、 効率も悪いので、試聴は聴きなれた下記の四曲で集中して行う事にしました。 □マーラー交響曲第一番「巨人」第二楽章 小澤征爾/ボストン交響楽団 □大貫妙子“attraction”から5トラック目「四季」 http://www.onukitaeko.jp/ http://www.dynamicaudio.jp/audio/5555/7f/brn/1007.html □Stereo Sound Flat Transfer Series/石川さゆり「天城越え」「朝花」 http://www.stereosound.co.jp/cd/index/ss/sscdr002/ http://www.dynamicaudio.jp/audio/5555/7f/brn/990.html ■Step.1 従来のレイアウト http://www.dynamicaudio.jp/file/20130215/ankh01.jpg いつも聴きなれているとはいえ念のために先ずは標準となる音質を確認。 ESOTERIC RZ-1のボリュームは0から99まで調整出来ますが、かけるCDにも よりますが今までは音量を上げてもせいぜい20から30くらいのものでした。 オーケストラをかければ楽音個々の音像は再現されずに集団と化した音の洪水。 ヴォーカルのフォーカスは感じられずに背後のステンドグラスと両側の壁面 からの一次反射音が盛大に響き渡り、ストレスを感じてしまうので小音量で 静かに鳴らしていたのものでした。 前述のように天井高2.7m、横幅は約3mという空間でセットしたスピーカーから 2.6mの距離に座っての試聴ですが、この状態で音量を上げようなどとは思えない あり様があったのです。今まで何度か吸音・拡散材をセットしたものの、 この環境特性を根本的に改善する事は出来なかったものでした。さて、次へ!! ■Step.2 ANKH-II:CO-15コーナータイプ2台 http://www.dynamicaudio.jp/file/20130215/ankh02.jpg 日東紡音響の山下さんと相談の上、先ずはコーナーANKHから試してみましょう ということで、上記のようにセットしました。今回持ち込んだANKH-II:CO-15は テスト用ということで本来は高さ1.5mで1ユニットになっているものですが、 同社のデモ機ということで実験用として0.9mと0.6mのものを継ぎ足して1.5mと したものを使用しています。1.5mの製品とは見かけが異なりますが効果は同様。 この段階では失礼ながら期待感はあまりなかった。四年前の印象が未だに尾を 引いているのか、音響的には反射面を覆うような対策をしなければ効果はあまり ないだろうという私の経験からのイメージもあったようなのですが…。 オーケストラを聴きました。あまり変化はありません。最もAVALONという指向性 が広いスピーカーではあっても中高域はスピーカーの後方まで回り込んで行く という事はないので無理からぬところ。 低域の波長は長いので、そんな帯域の音波を調整するとなると一部屋くらいの 容積をもって吸音しなければならないので大変困難なものと心得ていた。 ここで↓表記しているのは低域の吸音とは言っていない。 http://www.noe.co.jp/product/pdt1/pd1_12_02.html 低域の“抜け”の悪さや、ブーミーな音場、狭い部屋独特の閉塞感は、この 定在波の影響によるものです。一方、森の中は閉ざされていない空間であるが ゆえ、低域が理想的に“抜け”、空間の狭さを感じません。 AGSは、小さい部屋の中でも“部屋鳴り”を感じさせない“抜け”の良い低音 再生をもたらし、森のような開放的な音場を実現します。 ということなので、オーケストラの朗々と響く連続音と低域よりもウッドベース の楽音の方が分かりやすいだろうと大貫妙子の「四季」に選曲を変えてみた。 「おや…!!この変化は…!?」 低音階のベースがふーと減量されるというような極端な事はもちろんない。 低域のエネルギー感の総量は変わらないのですが質感が変化しているのが解かる!! ウッドベースの弦を弾いた後に胴鳴りの低音が響くのだが、重量感は不思議と そのままなのに残響として膨らみながら広がるという低音がすっきりしている。 ウッドベースは倍音成分が実に多く含まれている楽音なので、コーナーANKH だけで低音処理を全てまかなえるかというと、それでは責任が重たいだろう。 ここでは着実に導入後の相違点が第一歩として感じられ始めたというところに とどめておくが、他のANKHシリーズとの共同作業に期待したいものでした。 ■Step.3 ANKH-II:CO-15コーナータイプ2台+ANKH-I:ST-15フラットタイプ2台 http://www.dynamicaudio.jp/file/20130215/ankh03.jpg この写真で見える右側のANKH-I:ST-15がセットしてある壁面はステンドグラス の壁面までの奥行きは1.6mで、その手前には私達の事務スペースがある。 従って、今回の実験試聴では幅3.0mと奥行き1.6mという極めて狭いスペースに Acoustic Grove Systemをセッティングするという事になる。 スピーカーの前後両側で4台のANKHをセットし、先ほどと同じようにオーケストラ から試聴開始という事で、お馴染の第二楽章をスタートさせた…、すると!! 「おー!!何なんだ、この変化は!!今まではステージが見えなかったのに…!?」 これには驚きました!!先程までオーケストラの楽音はまるでモノラル音源の ように集団化して左右スピーカーの中間に漫然とひと塊りになっていました。 スピーカーから1mもない至近距離にANKH-I:ST-15を置いただけなのに、弦楽 五部の編成に音像と定位感が表れ始め、それはステージの幅を広げたように 木管楽器の解像度を高めピンポイントの定位感を示し始めたのです!! そして、この時に感じられた「ほぐれた弦楽器」という印象は正に次の画像 イメージにて皆様にお伝えしたいものです。 http://www.facebook.com/photo.php?fbid=383009438423910 facebook「Shaman Medicine Womanさんの写真」より 弦楽器群を一本の絵筆と例えたら、このように実に様々な色の絵具をまとわせ、 その一色ずつを完全に混ぜ合わせて出来上がった新しい一つの色で描くのでは なく、多数の絵具が混じり合う前にキャンパスに乗せていく事で新種の中間色 が出来上がり、それらが混然一体となって多種多様な色彩感のグラデーション の楽音として鳴り始めたのです!!いや〜、この変化には驚きました、感動しました!! こんな驚きの体験をしていた正にその時、いつもこういう試聴をしている時に 偶然にもお見えになるのがご存じのこの方。 東京都港区 M.S 様-H.A.L.'s 訪問記 2010/3/26 Vol.24「音の美意識が光る音でした!!そして、感謝、感謝です!!」 http://www.dynamicaudio.jp/audio/5555/7f/fan/hf_visi0024.html 昨年の9/1発売のステレオサウンド No.184■特集2 私の選択 音楽再生にかける想い のトップに紹介された関 守 様が来店されました。 http://www.stereosound.co.jp/ssweb/ 訪問記の当時のシステム構成とステレオサウンドの取材時点ではシステム構成 が異なっていますが、下記のようにオーディオ年表も更新されています。 ■ http://www.dynamicaudio.jp/file/100306/sys-review.xls ■ 私としては頼もしい援軍が来てくれたという感じで臨時の試聴席を設けて かけて頂き、次の課題曲を聴くことに。石川さゆりです。この「天城越え」の 素晴らしさは弦楽器の美しさにありますが、それが何とも麗しく左右に広がり 琴や三味線という和楽器の解像度が比較にならないほど改善されています。 このディスクは二曲しか入っていないのですが、「天城越え」のコブシの利いた 演歌の歌唱法とは異なり二曲目の「朝花」では二本のギター伴奏のみという アコースティックな響きの中でゆったりと自然体のヴォーカルとなっています。 先程まではギターの伴奏がヴォーカルの背後に密接に位置していて、双方の 音像がオーバーラップしていたのに、ここでは見事に分離します!!驚きです!! それにしても、この録音の石川さゆりの声質が何とも素晴らしい!! スタジオ録音にして奥行き感と遠近感を伴奏楽器で感じる大貫妙子の「四季」 ではどうか。いや、このフロアーの試聴室の中では当たり前のごとく前後左右 に分離しつつ、クラベスや鈴などが遠方から響いてくる情景、ストリングスが ヴォーカルの背後に整然と並び包み込むような音場感を展開するという記憶に ANKHがいざなってくれるかのような心地良さで聴き惚れました。 実は、山下さんが当日持ち込んでくれたデモ機の台数はここまででした。 本当はガラスラックの後方にもANKHをセットするともっと良くなるはずだが… とおっしゃる山下さんの言葉は私の好奇心を大いに刺激しました。 この先がまだあるなんて…!? そこで店長の特権です(笑)下のフロアーに展示してあるANKH-I:ST-15を二台 こちらに移動するように指示しました。関様といいね〜という話で盛り上がって いるうちに山下さんが更に二台を運び上げてくれました。 ■Step.4 ANKH-II:CO-15コーナータイプ2台+ANKH-I:ST-15フラットタイプ4台 http://www.dynamicaudio.jp/file/20130215/ankh04.jpg さて、この写真を見てお気付きでしょうか。私はこの段階で両側壁の一次反射 が改善されていることを確認したので、AVALON INDRAの間隔をスピーカーの 中心軸で2.7mと左右に広げています。 実は、思い返してみると過去には何とか音質改善をしたいと思い、このラック の後ろの壁面にQRD Abffusorを置いたこともありましたが、その時には残念 ながら期待したような効果は得られませんでした。コーナーよりはスピーカー 後方に向けての角度は浅いものの、音源位置から後ろの位置で果たして追い風 の効果があるものだろうか!?先ずはオーケストラから聴き始めます!! 「うわ〜、何これ!!楽音の色彩感五割増し!!空間表現も三割増しじゃないか!!」 スピーカー後方のセンター、しかもラックの裏側、ガラスラックの棚板の中間 では高域の定在波が氾濫していることは推測していた。完全反射面のガラスに 挟まれた空間では10KHz以上の帯域で盛んに定在波が発生しているものだ。 そんな定在波を取り去ることなど出来るものかと直前まで思っていました。 鏡面反射では、スピーカからの直接音(Direct)の直後に、レベルの強い単一 の反射音(Reflection)が到来します。 http://www.noe.co.jp/product/pdt1/pd1_12_03.html そうです、皆さんも二枚の鏡を平行に並べて中に入ると反射の繰り返しが無限の 回廊を形作っているのを思い出されることでしょう。このラックの厚さ9mmの 平行するガラス面でも同様なことが音響的に発生しているわけです。 しかし、それを私達はスピーカーの発する音波と同時に聴かされているので 認識が出来ないわけです。 しかし、ここで初めてANKHによって室内の潜在的な定在波を消滅させてくれる という事実を見せられ、残念にも定在波を含む再生音しか聴けなかった私達に 定在波という成分を分離して消去するというイリュージョンを見せてくれたのです!! 「そりゃ〜ないよ!!これじゃ〜もう元には戻れないよ!!」 ふと振り返ると笑顔の関様が…。 「ホールの天井が高くなったように気持ちいい響きになったね〜」 はい、正におっしゃる通りでございます。今の今まで波長の異なる様々な周波数 の定在波が存在しているだろうと推測はしても、それを消去するとスピーカーが 発する本来の音質はどうなのだろうか、という議論には実例による比較と証明 が出来ないので誰も結論を出すことなど出来なかったわけです!! しかし、ANKHをただ置くだけで平行する壁面での比較的低い周波数の定在波、 そして、今目撃したようにラックの棚板のように平行面を形成する木材やガラス によって生じる高い周波数の定在波などを消去する事で、仮説であった室内の 定在波の存在と影響を実証してくれたのである!!これには興奮しました!! さあ、次を聴こう!!「天城越え」のイントロが始まった瞬間に私は思わず口角 が緩み、私の後ろに座っておられる関様や山下さんに表情を見られないように 意識せざるを得なかった。こんな魅力的な石川さゆりの歌声はここの試聴室でも 聴いたことがなかったかもしれない!! 分解能やダイナミックレンジ、ハイパワーで鳴らす大型スピーカーとは持ち味が 違うのは当然であり、しかもCDプレーヤー一体型のRZ-1という大変にコンパクトな アンプで鳴らしているのに、雄大に広がる弦楽器とピシリとしまったリズム楽器 の清々しい演奏は伴奏と一体になった石川さゆりの歌声にとどめを刺した!! ここで、二曲目の「朝花」を聴くが、いやいや驚いた!! アコースティックギター の余韻感はこんなにも消滅までのスロープが長く緩やかだったとは!! 大貫妙子の「四季」をかける頃には既に出てくる音が推測出来るようだ。 水道水を飲み慣れた人が山奥の湧水を初めて飲んだ時のような驚きか!! すると、山下さんが「川又さん、まだ続きがあるんです」と言う。えっ!! ■Step.5 ANKH-II:CO-15コーナータイプ2台+ANKH-I:ST-15フラットタイプ4台 and ANKH-III:DT 卓上・床置きタイプ1台 こんな小さなもので効果はあるんだろうかと、もしも、上記の実験試聴をしな いで、いきなりこのANKH-IIIだけを試聴したら私は半信半疑のままだったろう。 ところが、驚嘆すべき音質変化をここまで露骨に提示されてしまったあとでは 逆に早く試してみたいとの期待感が盛り上がってきました!! 30Kg近くある他のANKHとは違い簡単に置き換え出来るので使用前・使用後の 比較は用意です。早速試してみたのは最初にオーケストラから。 ★Variation.1 http://www.dynamicaudio.jp/file/20130215/ankh07.jpg 左右スピーカーのフロントバッフルを結んだ面とほぼ同一の距離で弦楽器や ヴォーカルが定位する高さにいとも簡単にポンと置いただけ。ESOTERIC RZ-1が 隠れてしまうのは申し訳ないのですが、最初はここに置きました。すると… 「おいおい、本当かよ!!」 弦楽器群の横並びの定位感は奏者ひとりひとりを描くような描写力をあっけなく このセッティングで実現してしまいました!! 木管楽器のソロパートの音像が鮮明になり、定位感は見事に中空にピタリと フォーカスして、左右スピーカーの間隔2.7mの中間にオーケストラの楽員が 雛段飾りのようにきちんと整列してきます。 直ちにヴォーカルの課題曲を三曲ともかけましたが、いやはや…オーケストラ での解像度が向上するという変化はヴォーカルの質感と音像の輪郭表現には どんぴしゃりの作用をもたらしました。そして、センターのヴォーカルが鮮明に なるという事は周辺の余韻が同時に純度を高めたかのように広がるので、この 小さなANKH-IIIが音場感の拡大にも貢献する事が分かりました。これはいい!! 実は、この実験試聴を偶然にも来店されて体験したハルズサークル会員が数名 いらっしゃいますが、最初にANKH-IIIなしで聴いて頂き、同じ音量でおもむろに ANKH-IIIをポンと置いて同じ曲をスタートした瞬間に皆さんの表情がパッと 変わる事を私は楽しげに見ていたものです。 さすがハルズサークル会員の皆様は変化に敏感であり、的確に違いを聴き分け、 私が言葉で述べる事を感性で受け止めて下さったのです。そして… ★Variation.2 http://www.dynamicaudio.jp/file/20130215/ankh06.jpg いささかESOTERIC RZ-1の操作がしにくいだろうと、このように↑ANKH-IIIを RZ-1の上に乗せてみました。これでも変化ありますが、Variation.1で確認した 効果が二割ほど減じるようであり、わずかなポジションの変更でも違いが解かる というのは環境として他の4台のANKHによる音響空間の浄化作用があったれば こそということでうなずけるものがありました。もちろん、これも悪くないですが。 ★Variation.3 http://www.dynamicaudio.jp/file/20130215/ankh05.jpg 更に、このように↑ANKH-I:ST-15のトップに置いてみました。スピーカーの フロントバッフル面と同一軸状からは外れるので、オーケストラやヴォーカル で感じられた質感の向上は薄れるのですが、いやいや…これによって感じる 音場感の拡大は魅力的でした。 ホールの天井を見上げるように余韻の残り香がスピーカー後方の上の方向に 感じられるのではないかと、思わず視線を上げてしまうような変化で中々これも 好ましいのです。ということは、4台のANKH-I:ST-15の上にANKH-IIIを一台ずつ セットしたら面白い事になるだろうな〜と好奇心がかきたてられるのでした。 こんな実験を何度も繰り返し、この場の状態ではVariation.1がベストと私は 判定しました。ESOTERIC RZ-1のリモコンは使用出来るので良しとしましょう! さて、このANKH-IIIですが、卓上型と称していますが実は床置きも出来ます。 写真では立てていますが寝かせておく事も出来るので、左右スピーカーと リスナーの中間位置の床面に二台置いて床の一次反射を拡散させる事でも効果 があるというのです。ANKH-I:ST-15のトップにセットする方法の他にも床置き での使用も可能ということでご記憶下さい。 下記のような導入例もあります。ちなみにこの写真のANKH-II:CO-15コーナー タイプは濃紺のような珪藻土壁色に合わせて塗装した特注色(税別 \400,000.)です。 http://www.dynamicaudio.jp/file/20130215/M.jpg 2月15日の金曜日に上記をセッティングして週末にご来店の皆様には試聴して 頂きましたが、支持率100%で耳のよい会員の皆様を驚かせていました。 そして、接客と試聴が終わりデスクに向かった時には音量を絞って同じシステム を鳴らしているのですが、小音量でも質感が違う事に気がつきました。 ここ↓にAcoustic Grove Systemの設置事例が多数紹介されています。 http://www.noe.co.jp/product/pdt1/pd1_12_05.html ここに「3.“ 音のよい”銀行の実現」という紹介がありますが、スタジオや リスニングルームという音を扱う空間での使用は当然のことなのですが、 人々のかわす会話や室内のざわめきや暗騒音がある空間で、音楽を聴く以外の 効果をAGSがもたらしたということに私は興味を持ちました。 それはBGM程度の小音量で鳴らしている音楽が以前とは違うという印象を持った ことと関連性があるように思うのです。 森林の音環境の研究…まさにこれでしょう。 http://www.noe.co.jp/product/pdt1/pd1_12_00.html 結構な音量で鳴らしても爽快に音楽を楽しむ事が出来ましたが、小音量で聴く 再生音にも音を浄化するマシンを通したように、清々しい響きと楽音の自然な 減衰と消滅がAGSによってもたらされたことを実感したのです。 その証拠に本日一切のAGSを取り去ってしまったら楽音の鮮度が変わってしまい、 小音量で聴いていても何だか埃っぽく感じてしまうのですから参りました。 この空間では、もうANKHなしでは聴けなくなってしまった私です!! ■私のアコースティック・ルームチューニングの既成概念が覆りました!! 最低限の音響工学的基礎知識を持ち合わせている私は、音波の反射面を対策 しなければ音響的改善はあり得ないと今まで信じていました。 ですから、各種QRDのように壁面、天井、床面という室内での反射面に対して 何らかの吸音・拡散処置を施すことが最善であり、反射面が露出している状態 では常に一次・二次以降の反射音が各反射面でのパウンドを繰り返していると いう状況があれば改善は難しいと思ってきたのです。もちろん、これも真実です。 しかし、今回のAcoustic Grove System体験によって、全く異なるアプローチで 見違えるほどの音質向上を実感するに当たり、私のルームチューニングにおける 従来の経験と知識の他にも大きな可能性を発見したものです!! しかも、Acoustic Grove Systemは単なる吸音材のように音楽のエネルギーをも 吸収してしまうということがありません。 雄大な音場感がホールの空間を満たす充実感と迫力、緻密な音像から発する 色彩感豊かなリヴァーヴが聴き手の美意識をくすぐるスタジオ録音と、今まで 聴いていた音の響きの豊かさを整理して耳に優しい再生音が同じシステムで 実現出来るのですからオーディオユーザーのマストアイテムとして推薦致します!! 私は国内初のAcoustic Grove Systemの体験者であったにも関わらず、この 四年間のブランクを埋め合わせするべく皆様にご提案していきたいと思います!! そして、上記の配信当日にH.A.L.'s MonitorとH.A.L.'s Monthly Return Sale-2013'(AGS) Specialが スタートしています。どんな企画なのかはご入会頂ければ分かります。 この機会にしてみませんか! |
担当:川又利明 |
TEL 03-3253-5555 FAX 03-3253-5556 kawamata@dynamicaudio.jp お店の場所はココです。お気軽に遊びに来てください!! |