長野県在住 : O様 |
49回目は、長野県在住のO様宅へ
「ちょっとおじゃまします。」 49回目は長野県在住のO様宅のシステムをご紹介します。 O様ともお付き合いが古く、一番最初に購入いただいたのは私が6F時代の2003年の6 月でした。その時に購入いただいたのは当時爆発的な人気のQRDでした。当時ルーム チューニングを提案していたところも少なく、まずはディフュラクタルを2枚購入いた だいたのがきっかけでした。 その驚くべき音質の変化で数か月後にはディフュラクタルを追加でご注文いただいて おります。 実際QRDをきっかけでお付きあいを始めさせていただいたお客様も非常に多いです。 さてその後は2004年冬にORPHEUSのパワーアンプの購入。定期的にQRDの増設。 2008年には当時お使いだったBOSEの高級スピーカーからB&W 802Dに買い替えを していただき、また同年にLINDEMANNのCD/SACD PLAYER 820Sの導入となって おります。 それから暫くは音楽を楽しむということをメインに過ごされておりました。 ただO様の心の中にはもうワンランク上を目指していることは上京の際に伺っており ました。 今年の2月にO様から1本のメールが届きました。 「定年まで後1年となり、退職金でパワーアンプを更新しようと思っています。」 という内容のものでした。 それから3月にご来店いただき、その時ちょうど中古で出ておりましたGOLDMUND TEL OS600に決めていただいております。ORPHEUSからですと音的にも違和感なく買い替 えできますが、それ以上に高級機のクオリティに驚いたご様子でした。 今回はTELOS600ということもあり、また箱もございませんでしたので、3月19日にお伺い させていただきました。 折角ですので、今までのシステムとTELOS600導入後の写真を掲載させていただきま す。 TELOS600をセッティング後に私なりのスピーカーセッティングを若干行わせていただ きました。 実際お客様が長年かけてセッティングされていただけあり、定位もバランスもしっか りとれておりましたが、こういう風に動かすとこういう変化がある的なことを一緒に やらせていただきました。 時間的な都合で細かいセッティングはできませんでしたので、その後O様自らミリセッテ ィングで追い込まれて満足のいくサウンドを作り上げたそうです。 納品後のO様のコメント 島さんがお帰りの後、6時間連続でCDを取っ替え引っ替えしながらTELOSと島セッティング の音に聴き入っていました。 これはTELOSの威力だと思いますが、楽器一つ一つの音像がしっかり定位するようになりま した。大編成のクラシックでも、それぞれのパートがどこで演奏しているのかはっきり分か ります。ボーカルでもシンガーが立っている位置が明確に聴き取れます。また低音の出方が Orpheusより締まった感じですね。ベースの音が広がらないため、そこでベーシストが弦を弾 いているんだとイメージできます。 またこちらはセッティングの威力だと関心しましたが、奥行き感が以前とは別次元です。夢に 描いていた背面の壁が消えたような臨場感。 TELOSの効果と相まって実に自然な音場が得られています。特に環境音が入っている クリス・レアのオバージュというアルバムの冒頭では人の足音、コーラの瓶を蹴飛ばして転がし た音、鳥の声、ドアを開けて中の人に掛けている声、遠くで車のエンジンを掛けている音、全て が目の前に現れてゾクゾクしました。音のピントが合っているため、シンガーの口も大きくはな っていません。 今後さらに精密に色々と追い込んで行こうと思います。TELOSをもう少し中央に寄せれば50cm のRCAケーブルでも届きそうなので、試して見ようかとも思っています。尤もOrpheus+Mark Levinsonの組合せとは異なり、75cmでもとても佳い音で鳴っているのですが。 定年後を見越してのアンプ購入でしたが、定年までの間も凄く楽しめそうです。これも島さんに 相談したこと、そしてそのタイミングが良かったと言う事でしょう。 これからも是非色々と相談に乗って頂ければと存じます。 O様 本当にありがとうございました。 めでたしめでたし。 それで、終わりではないのが今回のO様です。 その後もインシュレーターやSAECとJODELICAで電源ケーブルを自作されたりと電源周りも 強化されておりました。 O様のシステムですが、プレーヤーの可変ヴォリュームでパワーアンプに直接つないでおり ましたが、やはり気になるのが個人的にもプリアンプの有無でした。 以前よりO様にはプリアンプも非常に重要ですというお話をしており、今回私からのご提案で 中古のMARK LEVINSONのNO326Sをゴールデンウィーク中に自宅でご試聴いただきました。 そこでプリアンプの良さを実感しつつ、CDダイレクトの良さも逆に感じていただきました。 実は今回別の中古で当時のMARK LEVINSONのリファレンスでもあるNO32Lもございました。 NO326Sの中古をお貸出しする時にまずはということでNO326Sを送らせていただきましたが、 結果的にそれから想像するとNO32Lはもっと良いサウンドになるであろうということで思い切 って導入を決意いただきました。 その納品の為5月11日再度お伺いさせていただき、セッティングさせていただきました。。 折角でしたので、NO326Sの試聴も行い、その後で32Lにつなぎ替えを行い、私自身もその 実力差についにんまりしてしまいました。 ただNO32Lクラスのプリアンプですと本領発揮まで時間がかかりますので、暖機運転して いる間に近くのお蕎麦屋さんで夕食をいただきました。 やはり本場は違いますね。馬刺しも名物だということも初めて知りました。 さて戻ってからも多少のセッティングをさせていただきました。 横方向の広がりと奥行感が非常に良くなっておりますが、ここでもう1歩上のご提案 をさせていただきました。高さ表現ですが、こちらはある細工をすることでVOCALの 音像があがり、さらにステージ感が増します。その分低域の厚みが減りますので、 その辺りを追い込んでもらえればと思っております。 後日O様は電気工事屋さんを呼んで壁コンセントを交換したりと電源もさらに強化 されました。 遠方でなかなかお伺いできないの残念ですが、お部屋になじんだシステムのの音を またお聞かせいただける機会がございましたら是非聞きたいですね。 納品後のO様のコメント Goldmund Telos 600に続いてMark Levinson 32Lを導入しましたが、その実力を 楽しむ間もなくLINDEMANN 820Sを修理に出すこととなり、それから1ヶ月もの間 電源強化、全端子のクリーニング、インシュレーターの検討等と820Sが戻ってきた 時の準備をしながら過ごして来ました。でも最後の方ではやることがなくなり、少 しパニック気味でした。 本日漸く820Sが帰宅したので、端子をクリーニングしてからセッティング。 先ずは電源強化の効果を見るため820Sのオリジナル電源ケーブルを接続し、あちこ ちに設置していたインシュレーターを一旦外して試聴しました。ところがなんだか 低音がボワンとした惚けた音。電源を強化した効果は見えません。そこで電源ケー ブルを自作ケーブルに替えたところ、やっと引き締まった音になってきました。で もまだ納得の音にはなりません。 続けてインシュレーターをセット。そこそこ良い音にはなりましたが、32Lの実力は まだこんなものでは無いはずと、820Sに制振インシュレーターを追加したところで 漸く背筋がゾクゾクするような音に変わりました。 いつもセッティングの際に使っている何枚かのCDで一通り音を確認した後、パイ ヤール室内管弦楽団によるパッヘルベルのカノン(エラート盤96KHz/25bitリマスター) で本格試聴を開始したところ、遂にスピーカーで無く弦楽器がが目の前で鳴ってい るように聞こえることを実感できました。フォルテやピアノなどの音の強弱による 曲の流れやうねりも良く分かります。ここまでの曲想はこれまではっきりとは聴き 取れませんでした。 と、ここであることに気が付きました。820S直結の時は低音で床が揺れるようなこ とは無かったのですが、32Lが入ると床が揺れるのです。どうやら音の粒立ちが良く なっているので全体として音場が静かに感じられ、その状態で生の音量に近づけよ うとボリュームを上げた結果、これまでより低音が出ていると言うのが理由のよう です。 これは32L導入の効果と言えるでしょう。床の揺れは何かの対策が必要になるかも 知れませんが。またちょっとした調整でも音に変化が現れるようになり、制御でき るパラメーターが増えた形となったため大いに調整のし甲斐があります。上手く追 い込めば、スピーカーの存在を感じさせない、スピーカーが消えたような音場にま で持って行けるかも知れないと、ワクワクしてきました。大まかな調整しかしてい ない現時点でも、環境音を含むCDやライブのCDでは周囲や観客席の小さなざわめき までがはっきり聞き取れます。これなら楽器やボーカルの微妙な音色も再現できて いるはず。 まだまだスピーカーの水平調整、床に這わせている電源ケーブルやスピーカーケー ブルインシュレーターへの制振対策、デジタル系壁コンセントの強化など、挑戦し たいことは山ほどあります。どこまで高みに登れるか、楽しい試行錯誤の日々にな るでしょう。 これから毎日、どっぷりオーディオと音楽に浸りたいと思います。色々とアドバイ スありがとうございました。 O様この度は誠にありがとうございました。 O様とのお付き合いも10年以上になり、ここまでのシステムになったのも 何かのご縁かと思います。 どちらの製品も買い替えではなく、前ユーザーさんがやむなく放出した製品となり 私もお世話になったお客様の製品を引き継いでくれたことに関しても非常に喜びを 感じます。 もう少しで定年をお迎えになるということで、是非お持ちのディスクを今一度 新たなシステムでお楽しみいただければと思います。 近くに行くこともあるかと思いますので、その時にはまたお聞かせいただければ幸 いです。 今後とも何卒よろしくお願いします。 O様ご使用機器を再度ご紹介いたします。 |
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