Berkeley Audio Design
「 Alpha DAC 」

ALPHA DAC 
ALPHA DAC 背面

Berkeley Audio Design 「Alpha DAC」 ( \997,500 / 税込

今週のチェックは、昨年末に発表されたBerkeley Audio Design(バークレー・オーディオ・デザイン社) 「 Alpha DAC 」をご紹介させて頂きます。

ところで「HDCD」ってご存知でしょうか?

HDCD はパシフィック・マイクロソニックス社が開発した技術で、“ High Definition Compatible Digital ”の略です。 パシフィック・マイクロソニックス社は、オーディオ業界でも有名人のキース・ジョンソン氏、マイケル“パフラッシュ”パフラウマー氏によって1996年に設立されました。

このHDCDも今ではあまり耳にしなくなりましたが、CDの高音質ヴァージョンとして、当時は大きな話題になりました。
HDCDでエンコードされたCDサウンドは実際の音楽情報が20ビットでエンコードされており(通常のCDは16ビット)、HDCD対応のプレーヤーで再生することで、高分解能ならではのダイナミックさや立体感を表現する事が出来ました。
通常のCDフォーマットとの互換性を完全に有していて、( その長所を発揮出来ないにしても )通常のCD PLAYERでも再生可能という利点もありました。

LUXMANを始め、様々なメーカーがこのHDCDのデバイスを組み込んだプレーヤーを発売していましたが、SACD登場の影響等もあり、今現在は姿を消しておりました。

その技術を生み出したパシフィック・マイクロソニックス社出身となるマイケル“パフラッシュ”パフラウマー氏、同じくリーン・ジャガー氏とマイケル・リッター氏のエンジニア3人で設立した 最先端デジタルオーディオメーカーが“Berkeley Audio Design”。
その高い技術を持って生み出したD/Aコンバーターが、今回取り上げました「Alpha DAC」なのです!


まずはその製品の特徴をご紹介致します。

【 中央より左半面のフロントパネル 】

■入力切替 ( INPUT )
AES/EBU×1系統( シングルAESで192kHz/24bitまで対応 )
SPDIF( BNC75Ω )×1
SPDIF( Toslink )×1
BADA( Berkeley Audio Design: Alpha DAC )オリジナル入力×1


■LOCKランプ : デジタル信号がROCKしているときに点灯

■HDCDランプ
HDCDコードが検出されているときに点灯。
但しトランスポートの出力が44,1kHz、本体のサンプリングレートが
44,1kHz時になります。


■PHASE切り替え ( INVERT )
位相反転スィッチで点灯時は位相が反転した状態になります。( 通常は2番HOT )


【 中央より右半面のフロントパネル 】

■MODE切り替え : MODEボタンで4つの切り替えが可能
Stereo ( +、− のボタンでゲイン調整が可能 )
Left ( +、− のボタンでゲイン調整が可能 )
Right ( +、− のボタンでゲイン調整が可能 )
S Rate ( +、− のボタンでゲイン調整が可能 )
Filter ( 現在のフィルターがデイスプレイに表記 )


■DIM( ディマー切替 ): ディスプレーの明るさを4段階で切り替え

■リモコン付属 : リモコンでヴォリューム調整、入力切替が可能

※その他詳細は輸入代理店ナスペックのホームページより、こちらをご覧下さい。



試聴使用ソフト それでは試聴に入ります。

    ≪ 使用ソフト ≫
    写真上から反時計回りに
  • 山崎 まさよし 「ONE NIGHT STAND」
  • NANCY WILSON 「if I bad my way」
  • KENNY LOGGINS 「THE UNIMAGINABLE LIFE」
まずはAlpha DACですが、電源を入れるとヴォリュームが“ 25.0 ”から始まります。 これを最大の“ 60.0 ”ではなく、推奨の“ 55.0 ”にあわせた状態にしておきます。

今回トランスポートにESOTERIC「X-01D2」のデジタル出力を「Alpha DAC」に接続して試聴しておりますが、癖が少なく、自然で深みのあるサウンドを感じました。
対抗馬と言えば、価格は少し下がりますが、CHORD「QBD76」( \680,000 )になるかと思います。Alpha DACと比べるとより音楽性があるように感じますが、 逆にAlpha DACはリアリティの追求と芯のあるスタジオ的なサウンドと言えるのではないかと思います。 音色の面白みや癒される安心感という面より、前に張り出して来て興奮できるサウンドです。
ヴォリュームの推奨がありましたが、もちろんプリアンプに依存しますが、 上げすぎると少しハイ上がりに感じ、腰高に感じます。確かに推奨の位置で聞いたほうが良いようです。

さて、HDCDソフト再生の場合、フィルターは自動的に最適な数値“ 1.16 ”に設定され、HDCDランプが点灯します。 これを“ 1.24 ”に変更すると、音量がかなりアップし、比較する場合はヴォリューム調整が必要になります。 ( ※Filterは、接続時に自動的に最適なフィルターが設定されますが、ボタンで設定を変更する事により音質の変化を楽しむ事が出来ます。 .(ドット)の前の数字はフィルターの種類、後ろの数字はbit数を表しています。)
全体的な情報量がアップし、華やかな感じはしますが、音楽的な表現力や陰影は“ 1.16 ”の方がある様に感じました。
実際はソフトによって使い分けて頂いて良いのではないかと思います。

次にフィルター「2」に変更してみましたが、情報量はさほど増加しませんでしたが、古い録音などは特に良い意味で自然に感じます。 また温かみはフィルター1〜4の間で一番あるように思えました。ベールを被ったようにも感じますが、その中にある雰囲気は独特な個性を感じました。

トランスポートは情報を読む。
D/Aコンバーターはデジタルで読み込んだデーターをアナログに変換する。
その中でもD/Aコンバーターは今ではD/Dを積み込んだものも多いです。そこでの音の差もかなり大きく、是非見つめなおして頂きたアイテムです。

SACDの登場でD/Aコンバーターの影が薄くなっておりましたが、CDプレーヤーにD/Aコンバーターを導入してヴァージョンアップ、 音楽ジャンルによっての使い分けも面白いですよ。

是非改めてD/Aコンバーターを見つめなおしてみて下さい!!



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