TAD-CE1 右は同社TAD-E1
TAD TAD-CE1 ブラック/シルバーorグレー ¥1,600,000(税別)
TAD-CE1 ホワイト/シルバーorグレー、ピアノブラック ¥1,680,000(税別)
スタンド TAD-ST2 ブラック or シルバー ¥180,000(税別)
本日はTAD-CE1の試聴レポートをお送りさせていただきます。
何を今更とお思いなられるかもしれませんが、ここに来てお客様からのお問い合わ
せも増えてきたということ、まだお選びになられるお客様も少しづつ増えてきたと
いうこともあります。私もレポートをしたつもりになっておりましたが、今回この
試聴レポートもVOL.100ということで改めてご案内させていただきます。
さてこのCE1は本体カラーは4種類ございますが、スタンダードカラーの2014年11月
中旬にスタンダードモデルを発売しました。それから色のヴァリエーションも含め
て全部で5色となります。
フロントは木目になりますが、サイドがブラックで、そこに取り付けられたパネル
のカラーがシルバーがグレー。またサイドがホワイトでパネルがシルバーかグレー。
そして最後に発売されたのが、フロントも含めてブラック仕様となります。
またスタンドはブラックとホワイトの2色となります。
さて同社トールボーイ型スピーカーのTAD-E1の特集記事を書いたのが、2011年の
末でした。ということでE1の発売から約3年後の発売となります。
TAD-E1の試聴レポートは下記をご覧ください。
TAD-E1特設サイト
http://www.dynamicaudio.jp/audio/5555/4f/tad_e1_top.html
TADにはラインナップがこれで4モデルになりました。
フラッグシップのTAD-R1、そのコンセプトをブックシェルフにしたのが、TAD-CR1、
それからコンセプトを変えたと思われる音作りのTAD-E1、そしてブックシェルフの
TAD-CE1となります。
TAD-CE1はTAD-E1をコンセプトにブックシェルフを作ったということでは無いよう
に感じます。
試聴レポートは後半にして技術的なお話をさせていただきます。
・CSTドライバー
こちらはTADの心臓部ともいわれるベリリウムを使用した同軸ユニットになります。
250Hzから100kHzまでの帯域をこちらでカバーしております。
・ウーファーユニット
センターキャップとコーンを一体化した振動板
・Bi-Directional ADS
バスレフポートをサイドにスリット上に配置し、そこから出た空気をアルミサイド
パネルを使ってコントロール。これにより内部定在波を排除。
・キャビネット
バーチプライウッド(樺合板)のブレースと、MDFのパネルとの組み合わせにより
高い強度と制振性
「Bi-DirectionalADSポート」には10mm厚の硬質アルミサイドパネルを採用
・ターミナル
真鍮削りだしの大型端子バイワイヤー仕様
・スピーカースタンド
3点のスパイク支持
支柱はピアノフィニッシュ、ベース部分はマット仕上げになります。
転倒防止の為ベース部分のサイズは大きく、本体とスタンドは2本のねじで固定と
なります。
サイズは 400mm(W) x 581mm(H) x 510.3mm(D)
SPEC等はTAD ホームページをご覧ください。
TAD ホームページはこちら
http://tad-labs.com/jp/consumer/ce1/products.html
それでは、試聴レポートに入らせていただきます。
使用システムは
CD/SACD PLAYER TAD TAD-D1000MK2 ¥1,600,000.
PRE AMPLIFIER TAD TAD-C2000 ¥1,900,000.
POWER AMPLIFIER TAD TAD-M2500MK2 ¥1,680,000.
サーバー FIDATA HFAS1-H40(HDD)
まずはLIVE AT COTTON CLUB/HALIE LOREN より いとしのエリー
購入先はこちら
http://www.e-onkyo.com/music/album/veahd11218/
ピアノの低域のなり方が非常に安定感があり素晴らしいです。
足さず、引かずの考え方 これがTADの持ち味ですが、余計な響きを加えず
それいてライブの雰囲気を感じることが出来ます。
同社E1ですともっと広がりがあり、低域の量感は感じますが、低域の自然さ、
VOCALの味わいはこのCE1の方が感じられるような気がします。
確かに色付けをして楽しむというのもオーディオの一つかもしれませんが、
色づけないサウンドもクオリティが高く、リアリティが高ければ面白味を
感じることが出来ます。
冒頭に、
「TAD-CE1はTAD-E1をコンセプトにブックシェルフを作ったということでは無いよう
に感じます。」
とコメントしておりますが、実際TADのイベントの時にもおっしゃっておりましたが、
ブックシェルフにはブックシェルフのなり方があり、それを生かして制作したのが
このCE1だという話も聞きました。
実際スタジオのモニターとしてはブックシェルフを使用することも多いということ
も聞いており、そのコンセプトをしっかり理解することが出来ます。
アルミのサイドパネルでバスレフポートをコントロールしておりますが、まったく
違和感を感じることがなく、密閉とも、一般的なバスレフとも違う自然な低域に
感じます。
次にギター・イズ・ビューティフル KW45 /渡辺香津美 より
HEAR THERE AND EVERYTHERE
購入先はこちら
http://www.e-onkyo.com/music/album/wnr190295973681/
こちらの曲はCHARと渡辺さんのギターが楽しめる1曲ですが、アコスティックギター
のボディー感、二人のギターの個性がしっかり伝わってきます。
また響きも過剰につけることなく、ギターという楽しみ方もさることながら、違う2
本のギターの音色をしっかり同時に感じることが出来ます。
余計な低域は中高域を邪魔してしまうことがありますが、このCE1はそういったこと
がありませんので、ブックシェルフならではという良さが引き立っているかと思い
ます。また今回DAC、アンプもTADで揃えておりますので、余計そう感じさせます。
Berlioz: Symphonie fantastique[Live]
/Los Angeles Philharmonic , Gustavo Dudamel より
Berlioz: Symphonie fantastique, Op.14 - 5. Songe d'une nuit du
購入先はこちら
http://www.e-onkyo.com/music/album/uml00028947943747/
どうしてもTADの場合スタジオ録音のイメージを強く感じますが、こちらのCE1は実
際E1よりもそういう風に感じます。正直なところスケール感、臨場感はE1の方が良
いかと思います。高さ表現、立体感は非常に素晴らしいのですが、オーケストラの
躍動感などは厳しさを感じます。またリアルに感じるところは良いですが、ハーモ
ニーといった面でちょっと無機質に感じてしまいます。
まず同社トールボーイ型のE1はモニターという位置づけを持ちながら、音楽の響き
を出しており、空間もうまく表現しておりますが、このCE1はその色付けが少なく、
もっとリアルサウンドを目指しており、楽器一つ一つの明瞭度をしっかり伝えて
おります。
また低域に関しては、バランスが非常に良く、特にフュージョンやR&Bなどの
グルーブ感あるものはスピード感も兼ねそろえて気持ちよく聴くことが出来ます。
クラシックやライブ盤が多いお客様はE1をお勧めしたいですが、低域にさほどの量
感を求めずに質で勝負ということでしたらこのCE1の方が良いところも多くあります。
今回TADのシステムになりますが、CE1のようなブックシェルフは逆にしっかりと
コントロールできるアンプをお勧めしたいところです。ウーファーのコントロール
が出来ないとベリリウムの癖が目立ってしまったり、きつく感じるところもあると
思います。
ただ個人的にはこのスピーカーで聞きたい音楽が多くあります。
それが私にとって良いスピーカーの条件ですね。
最近YAMAHAのNS-5000も登場したりと国産ブランドもスピーカーに力を入れておりま
すので、是非先入観を持たす聞いていただきたいと思います。
2016年8月23日 H.A.L.3島
おまけ
以前TADのCE-1の試聴会をパイオニア銀座のショールームで行いました。
評論家の三浦 孝仁氏と掛け合いで行いましたが、非常に個人的に面白い試聴会
でした。
また、お客様宅での写真も掲載しておきます。
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